Do you see the GIRL

元・アニメ制作進行の自分が、アニメを見ての感想だったり、映画を見ての考察だったり、エロゲをやって勃ったことだったりを書いていくブログです。

【ロウきゅーぶ!(アニメ版)】ロリ作品のあるべき姿とは

第7回は、「ロウきゅーぶ!」を見て『ロリ作品』というものについて思うこと。

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当ブログでもロリ好きを公言してきた僕ですがが、実はこの作品は見たことがありませんでした。

ロウきゅーぶ!」は、

 ・百合アニメにおける「マリア様がみてる
 ・SF映画における「2001年宇宙の旅
 ・怪獣映画における「ゴジラ
 
のように、世間ではロリ作品の代表とされているのではないでしょうか(ちなみに僕の中でのロリ作品の代表は「ロリータ(ナボコフ)」です)。
ここは一つ教養のためにと思い本作を見始めたのですが、「ロリ作品の皮を被った一般の萌えアニメ」という印象しか受けることができず、5話で視聴を断念してしまいました。

 

主人公とヒロインたちの初顔合わせ

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はっきり言ってこれはない。
「これはない」という表現があまり好きじゃない僕でさえも言いたくなるほど「これはない」。

メイド服なんか着たらせっかくの"小学生"というアドバンテージが全然活かせないじゃないですか。
「ロリメイド」という枠もありますが、それは「デフォルトでロリメイドキャラ」か、「普通のロリキャラが、ある程度登場回数を重ねて視聴者にもキャラクターを掴ませてからのメイド服着用」のどちらかにすべきです。

…だいぶ僕の個人的趣味が出てしまった気もしますが、ともかく「とりあえずメイド服着せときゃ食いつくやろ!」感が滲み出ていて非常に印象の悪い冒頭でした。

 

普通のラブコメじゃん!!

本作はヒロインが小学生ということでパッと見はロリ作品に分類されます。
しかし本作で問題だったのが、
「ロリ作品であるにも関わらず、主人公が背徳感や罪悪感なく普っ通にラブコメしてる」
という点です。

この点が本作を「一般の萌えアニメ」と思わせてしまう一番の原因だと思います。
小学生ヒロインでなければ僕もわざわざこんな口出ししません。
「ほら、ウチの作品ヒロインが小学生とかマジロリコン!ヤバいやろ!!」という話題性だけを重視して一般向けに広く売り出してる(いわゆるファッションロリコン向け)感が気にくわないのです。

 

こどものじかん」との比較

じゃあどういう作品が本当の「ロリ作品」というのか。
そう、ロリ作品の金字塔といえば「こどものじかん」です。

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主人公の青木先生(小学校教諭)は、終始「小学生に欲情しちゃだめだ!」というスタンスをとり続けます(小3のヒロイン九重に対して第2話の時点で欲情してるので完全にアウトですが)。
青木先生は理性でいろいろと押さえ込んでいますが、基本的に小学生に欲情しっぱなしです。
そんな青木先生のこんなモノローグがあります。

そうか
オレが好きなのは九重であって

九重が子供だから好きなんじゃない
てことは…

ロリコンじゃねえ!

完全にロリコンの論法ですね。
こどものじかん」は基本的にこんな調子で「青木先生やべえよ…」みたいなのを楽しむ感じです。

「ロリ作品かくあるべし」と思わせてくれる作品です。

 

逆に…

逆に考えると、青木先生は「わかりやすく危険なロリコン」ですが、ロウきゅーぶ!の主人公は「一見自然な感じで危険性を感じさせないガチのロリコン」という意味で相当な危険人物なのかもしれません。

いずれにせよ「僕の好きなタイプのロリコン」ではないことは変わりませんが。

【四畳半神話大系(アニメ版)】史上最狭の青春SF

第6回になる今回は、ミクロ的かつ超弩級のSF青春アニメ「四畳半神話大系」について。

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原作は2005年に刊行された森見登美彦の小説で、2010年春にTVアニメが放送されました。
森見氏の「太陽の塔」や「夜は短し歩けよ乙女」と同じく、京都大学のくされ大学生を主人公にした物語です。

 

鬱屈とした「私」

主人公である「私」は、基本的に他者を見下し、自分以外は全員馬鹿だと思っているような人間です。
しかし実際には他人とのコミュニケーションが極端に苦手で、サークルに入ってもそこで活躍できるわけではないという半端者。
それでもやっぱり他人を見下すのはやめない…。

「世間の馬鹿共にはこの私の聡明さが理解できんのだ!」という感情は多くの人が持っていると思います。
「私」は、そういった鬱屈とした人たちの代弁者とも言えるでしょう。

 

喝ヒロイン・明石さん

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「夜は短し~」の『黒髪の乙女』など、森見作品のヒロインは本当に魅力的です。

本作のヒロイン明石さんは、『黒髪の乙女』とはまた違ったタイプの黒髪ヒロインです。
『黒髪の乙女』がいわゆる不思議系だったのに対し、明石さんは、聡明でどこまでも毅然としています。
現代日本の媚び媚びのアニメヒロイン共に喝を入れてくれる存在です。
「私」同様「そのまま君の道をひた走れ」と心の中で熱いエールを送りたくなります。

「また阿呆なもの作りましたね」「先輩は阿呆ですね」と、ことあるごとに「私」を阿呆呼ばわりしてくれるのもまた心地よい。

 

キャスティングの妙

本作のキャスティングは大変素晴らしかったです。

まずは何と言っても「私」役の浅沼晋太郎さん。
森見作品の淡々としていながらも独特の言い回し(モノローグ)をこれほどまでに完璧に演じられる人間が他にいるでしょうか。
特に「私」一人で最初から最後までぶっ通しで喋り続けた第10話は圧巻でした。

別作品になりますが、「生徒会役員共」のタカトシ役でのツッコミ無双も必聴です。

明石さん役の坂本真綾さんも素晴らしかったです。
凛としつつも鈴を転がすような声で明石さんの魅力を十二分に発揮できていたと思います。

そして小津役の吉野裕行さんもドハマリでした。
吉野さんは「うたわれるもの」のヌワンギやら「SHIROBAKO」のタローやら、いやらしい感じのキャラをやらせたら天下一品ですね。

 

四畳半迷宮の終わり、そして…

各話のエピソードもそれぞれに面白いのですが、全てが集約していくクライマックス抜きにしては本作は語れないでしょう。
特に10話から11話前半にかけてひたすら四畳半の迷宮を巡り続けていた「私」が外界へ出て、生まれたままの姿で走り幅跳びをする姿は奇妙な感動すら覚えます。

ちょっとした話ですが、騒動が一段落したところで樋口師匠が「これで前を隠せ」と素っ裸の「私」にスカーフを渡したシーンは「走れメロス」のパロディではないかと思っています。
森見氏は「新釈 走れメロス」も執筆されてますしね。

モノローグを聴いているだけで楽しい本作ですが、エピローグ直前の「成就した恋ほど語るに値しないものはない」というのは最高にスタイリッシュな締めでしたね。
森見氏のこういった心地よい文章には脱帽するばかりです。
最後の「私」の「俺なりの愛だ」も拍手したくなるようなオチでした。

【げんしけん(木尾士目)】斑目晴信、オタクっぽいオタク

(注:今回のエントリでは「オタク」という単語は、「世間一般の言ういわゆるオタク」的な意味合いで使っています。)

第5回は漫画「げんしけん」について。

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2002年から2006年までアフタヌーンで連載されました。
大学の所謂「オタクサークル」を舞台にした作品で、「オタクもの」を代表する漫画といえるのではないでしょうか。
なお、現在も「二代目」が連載中ですが、残念ながらこちらは読んでいないので今回は触れませんのであしからず。
今回は主要登場人物の一人である斑目(マダラメ)について語りたいと思います。

斑目は、「こんなにオタクらしいオタクキャラは後にも先にも出てこないのではないか」と思えるほどに立派なオタクです。
これは「極端に気持ち悪いオタク」とか「ステレオタイプ的なオタク」という意味ではなく、言葉の通り「オタクっぽい」のです。
この「オタクっぽさ」は斑目のそれに焦点を当てたエピソードでも、それ以外の日常の細かい言動の中でも表れています。



■「自爆スキー」

第20話、部室が使用禁止になったために、ミーティングを各部員の自宅の持ちまわりで行うことになるエピソードです。
女性部員もいるので、他の部員たちはエロいものは見つからないようにする中、斑目は自分の部屋でのミーティングの際にあえて全く部屋を片付けません。
それを笹原は「自爆スキー」と評したのですが、これは斑目のオタクっぽさが顕著に表れていると思います。

オタクは自爆することで自分のオタクっぽさを際立たせて、自らのアイデンティティを保っているのではないでしょうか。


僕自身が自爆スキーだからそう思うだけなのかもしれませんが…。

また、このエピソードは、「結局斑目もエロDVD(実写)を隠していたのが見つかったけど、それは囮で本命の"咲のコスプレ写真"は隠し通した」というのがオチなのですが、この行為も非常にオタクっぽいですね。
ちょっと風変わりな作戦を立て、まるで自分が軍師にでもなったかのようにその駆け引きを楽しむ。
この作戦が成功したことを斑目は誰かに言いたくて仕方ないんだろうなぁと勝手に想像してしまいます。



斑目のオタクっぽい言動いろいろ

第2話でコーサカ宅に集まって格ゲーをやる際に、斑目は「大会しようぜ!レギュレーションどうする?」と発言します。
この「遊ぶ際にやたらにルールを作って仕切りたがる」というのがオタクっぽい。
リーダーシップとは全然違います。ルールを作ること自体が楽しいんですね。

第9話での冬コミ行きの電車の中で、つま先用カイロを靴に入れながら「暖かいっていう実感はないけどあるとないとじゃ大違いなんだぜ」と言い、笹原が「言ってましたね」と返すシーン。
「気に入った表現を何度も言いたくなる」というのもまたオタク特有な感じがします。
このエピソードでは、「冬だからな!」というセリフが久我山に「キャラ作りの一環」と評されていますが、僕はこちらのつま先用カイロのくだりの方がオタクっぽさを感じました。

第23話での斑目と咲の会話。
斑目「やだねぇ 色恋沙汰しか考えてない奴は!脳みそピンクなんじゃねーの」
咲「うわ~~~ オタクにだけは言われたくねぇ」
これはオタクと非オタクの感覚の違いをよく表していると思います。
これもまた自分の体験に基づく話になるのですが、僕も学生時代に非オタクの女性とよく同じようなやりとりをしていました。
オタクからすれば何でも恋愛に結びつけて考えてしまう女性が「脳みそピンク」で、逆に非オタクの女性からすればいつもアニメの女の子のことばかり考えているオタクが「脳みそピンク」。


お互いに自覚がないのがまたタチが悪いですね。



■咲との関係

今までは斑目のオタクっぽさをあげつらってきましたが、彼を語る上で欠かせないのが咲との関係。

まずは第14話鼻毛回。
恐らくここから咲への好意が明確になった(なり始めた?)、斑目のターニングポイントとなる回なのですが、やはりこの回でも斑目のオタクっぽさは遺憾なく発揮されています。
部室で斑目と咲が二人きりになり、沈黙に耐えられずカバンの中を漁るフリをし、挙げ句の果てに何かを思い出したフリをして部室を出て行ってしまうなんてオタク以外の何者でもありませんね。
また、部室に二人きりで会話が無いというシチュエーションとはいえ、とにかく斑目のモノローグが多いこと多いこと。
咲の鼻毛が出ているのを『さりげなく』『自然に』『笑い話で済むように』と思考が巡りまくっているのもそうですし、その後に「考える前に動け!!」って"考えて"しまっているあたりがもうどうしようもなくオタクですね。
結局その後咲にぶん殴られて、斑目はカバンを置いたまま部室から出て行ってしまうのですが、この回の最後のコマでそのカバンが意味深に映っているのが、この漫画で今までになかった異色な雰囲気を醸し出しています。

そして第32話寿司屋回。
斑目の台詞の中でもとりわけオタクっぽさが滲み出ている名台詞「……俺らって ケンカしてなかったっけ」が炸裂します。
寿司屋内での会話に関しては結構はっきりと斑目の内面が描かれているので特に言及しませんが、気になるのは帰路の電車の中。
鼻毛回と同様にラスト数コマは無言で終わります。
そして鼻毛回では部室に置きっ放しだったカバンを、今回は斑目がしっかりと抱きかかえているのも印象的です。

…深読みしすぎですかそうですか。

ちなみにげんしけん無印主義者の僕としては斑目と咲の話はここで終わり、二代目の告白なんて信じない、というスタンスです。
どうでもいいですね。



■ラストエピソードに集約された全て

最終巻の巻末特別書き下ろしで追い出しコンパのエピソードが収録されているのですが、ここにげんしけんの魅力の全てが詰まっていると言っても過言ではありません。
斑目が「第1回どうやったら春日部さんが萌えキャラになるか会議」を始めて、各部員が好き勝手言っていくのですが、斑目が「あ…思いついちゃった」と言って恥ずかしそうに一言、

「実は処女」

最高にオタクっぽい。

でもわかる。

そして何がまたオタクっぽいかと言うと、「あ」って言う前のコマで明らかに思いついてるんですよね。斑目の表情見ると。
それを言うべきか否かをしばらく考えてるのがオタクっぽい。

でもわかる。

そして咲がコーサカに自分のどこに萌えるか聞いて、
「咲ちゃんに萌えは… 無いなあ~~……
と言われて周りが凍り付くのもこの二人の関係をバッチリ表していると思います。


斑目のオタクっぽさ、班目と咲のラブコメ要素、咲とコーサカの関係性。
この短いページ数で完璧に表現している名エピソードだったと思います。



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さて、斑目の魅力はわかっていただけましたでしょうか。
「オタクっぽい」ってけなしているように聞こえるかもしれませんが、凄く褒めてるんですよ?

僕は「オタクっぽくない」と言われる方が嬉しいですが。

 

アニメ版のOPはノスタルジックな名曲なのでこちらも是非。

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【かみちゅ!】爽やかな尾道の風と、隠しきれない女子中学生感

第4回はアニメ「かみちゅ!」について。


何だかんだでアニメについて書くのは今回が初ですね。
かみちゅ!は2005年に放送されたオリジナルTVアニメ。
広島県尾道市をモデルにした街「日の出町」を舞台に、ある日突然神様になった女子中学生ゆりえの周りで起こる出来事を描いた作品です。
今回は、思わず「いいなァ~。」と口からこぼれてしまうこの名作アニメについて語っていきます。

 

作品を象徴する第1話cut1

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これは第1話のcut1、つまり本編が始まって最初に映るシーンなのですが、僕はこれこそが本作を象徴するカットになっていると思います。

まず窓の外に映る尾道の風景。
画面の左側に僅かに映っているだけですが、知っている人間であれば「あ、瀬戸内だ」と思うでしょうし、知らない人が見ても海に浮かぶ島々やその手前に並ぶ瓦屋根に情緒を感じることでしょう。

そしてゆりえがお弁当の卵焼きを一つ食べ、お箸を咥えたまま友人の光恵に一言。

「みつえちゃん、私、神様になっちゃった」

そして次のカットで光恵はごく自然に返事します。

「なんの?」

もうこの会話だけでこの作品の「人間が神様になることが日常である(正確には「やや珍しい」ぐらい)」という世界観が表現されています。
この冒頭のやりとりは『吾輩は猫である。名前はまだ無い。』ぐらいに素晴らしい書き出しだと僕は思います。

そしてこのcut1、ゆりえが「みつえちゃん、私、神様になっちゃった」と言うだけなんですが、尺が約21秒あります。
短くしようと思えば3,4秒ぐらいで済ませられる内容に対して、この贅沢な時間の使い方。
この点もこの作品ののんびりとした作風を象徴していると言えるでしょう。

 

名OP「晴れのちハレ!

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この作品の大きな魅力の一つがこのOP。
まず曲が「気持ちいい」ことこの上ないです。
イントロのワンフレーズを聴いただけで青空に舞い上がって行くかのような感覚になります。
Aメロは落ち着いて爽やかに、Bメロでちょっと切なげなメロディーになって、一気に弾けるようなサビ。
ボーカルの富田麻帆さんの歌声の清涼感も相まって最高の「気持ちよさ」を感じさせてくれます。

そしてアニメーションも大好きなんです。
登場キャラクターの日常を点描していく内容なのですが、あなたがこのOPを見て「こんな作品かな?」という印象を持ったら、それでまず間違いないと思います。
なので、OPを見て想像した内容が自分好みならば、絶対にこの作品を見て損はないはずです。

あと、「スタッフクレジットをデザインとして取り入れているOP」って個人的に好きなんですよね(他に「Aチャンネル」「WORKING!!」など)。

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圧倒的「女子中学生感」

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「制服のスカート丈が長いアニメは名作」

他ならぬ僕の言葉です。
ちなみに本作以外だと「スケッチブック」が該当します。
ほとんどのアニメにおいてスカート丈を短くすることを躍起になって競い合っている昨今、この丈の長さは貴重です。
ただ、かみちゅ!ファンには「かみちゅ!萌えアニメとは違う!」と主張する方が多いようですが、僕はあえてこう言いたいです。

かみちゅ!は非常に「あざとい」アニメであると。

かみちゅ!ほど「女子中学生感」を全面に押し出しているアニメはなかなかないと思います。
スカート丈以外にも大変フェティッシュなのがこちら

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ブラウスの下にキャミソール(?)を着てるんですよ…!
いや、女子中学生の制服事情には詳しくないんですが、たぶんこれを着ること自体は普通だとは思うんですよ、女子中学生の制服事情には詳しくないですが。
しかし、凡百の萌えアニメであれば「へそチラ」にするところをあえてキャミソールを見せるとは…。


何?それでもやはり肌を見せないようにしているんだからあざとくない?

それなら最初からブラウスはだけさせる必要ないやろが!

というわけでかみちゅ!はフェチアニメであると断言します。

 

まとめ

せっかくの爽やかな作品を結局やらしい目線で見てしまって非常に申し訳なかったのですが、別にそんなことは全く気にせず心穏やかに見られる作品です。
僕も先ほどこの記事を書くために1話を見て思わずこぼしました。

「いいなァ~。」

【O/A(渡会けいじ)】ラジオ愛から生まれた漫画

第3回は漫画「O/A」について。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00932PDYE

O/A」は2009年から2012年までヤングエースで連載された漫画です。
作者は渡会けいじ先生。(画風はpixiv見るのが早いかと)

www.pixiv.net
アイドル・堀内ゆたかと芸人・田中はるみの二人一役のラジオ番組の様子、またその二人の成長を描いた作品です。

作品の傾向としてはかなり下ネタが多いです。
と言ってもおっぱいボロンでいやんまいっちんぐ的なモノではなく、うんこだのうんこだの笑い飛ばせる系です。
でもアイドルが開けっぴろげにうんことか言うのって、それはそれで興奮しません?

全7巻の作品ですが、いくつかに焦点を絞ってお話ししていきます。


サブキャラ里愛(リア)ちゃんがとにかくかわいい

いきなりサブキャラの話から始めるのもどうかとは思いますが、僕は主人公ゆたかのライバル海江田ミホの後輩ユニット「Marine(マリーン)」の里愛(リア)ちゃんがめちゃくちゃ好きです。
サイドテールにジト目のややギャルっぽい喋り方の女子中学生。
特徴を並べただけでも素晴らしいと思いませんか?
さらにこの子、アイドルとしてステージに立つときは目をパッチリ開いて「アイドル」の顔になる。
アイドルの子の二つの面を見ることができる一粒で二度美味しいキャラになっています。
登場回数がさほど多くないのが残念ですが、その中でも確かな魅力を見せてくれるキャラです。

 

ゆたかの姉さやかのエピソード

単行本5巻24話と25話はゆたかの姉さやかに関する話になるのですが、全体的にギャグ路線なこの作品において、ここは単純に「いい話だなぁ」と思えるお話でした。

完璧すぎる姉さやかに対するゆたかのコンプレックス。
そんな姉さやかの結婚。

話としては短いながらも、姉妹愛を丁寧に丁寧に描いたエピソードでした。
特に5巻のラストシーンは心がじんわり温かくなります。
(直後のあとがき漫画での「余計なお世話」も凄く好きでした)

作者の渡会先生は一つ一つのエピソードの組み立て方が凄く上手な方だと思います。
当たり前ですが、起承転結がしっかりしていて、読者に伝えたいことが明確というか。
しかもそれがいちいち説明臭くなく、自然に読み進めることができます。

さやかのエピソードはそんな渡会先生の良さが詰まったお話だったと思います。

 

小ネタ・パロディ

この作品というより作者の渡会先生の特徴なのですが、小ネタ・パロディがいちいち面白いです。
有名でオタク受けするタイプのパロディもなくはないですが、映画好きや音楽好きが好みそうなややニッチなパロディが多いです。
あと何故か「沈黙の艦隊」ネタがやたら多い。
僕は沈黙の艦隊を読んでないので気付いてないネタも多そうなのですが、何故かやたらに出てきます。
好きなんだろうなぁ…。

21話はサブタイトルからして名作映画そのまんまの「ニュー・シネマ・パラダイス」。
扉絵に4枚の絵が描かれているのですが、それぞれ「レオン」「ブレードランナー」「パルプフィクション」「ショーシャンクの空に」のパロディ。
他にも随所にパロディは出てくるので、それを探しながら読んで見るのも面白いかも知れません。

 

6巻の勢い

全7巻の中でエンタメ作品として群を抜いているのが6巻。
5巻の「いいハナシ感」を全てなぎ払うような怒濤のエピソードの連続です。
ゆたかがラジオリスナーへのプレゼントを100km走って届ける企画で、ゆたかが途中で何かに目覚めてしまい、槍ヶ岳や富士火力演習場をもひたすら走り続けるというぶっ飛んだ話。

そしてさらにぶっ飛んだ話になるのがその次の回。
アメリカ軍の原子力潜水艦の乗組員たちが任務中にラジオのチャンネル争いを繰り広げ、最終的には聴取者プレゼントを受け取るために原潜で横須賀港を訪れます。
恐らく上述の「沈黙の艦隊」に影響受けまくって描いたのかと。
好きなことを詰め込みまくって、それがオナニーにならず知らない人が見てもちゃんと面白いのが凄いですよね。
こういうことができる人って羨ましいなぁと思います。

 

まとめ

「ラジオ」という、言ってしまえば地味なテーマですが、話作りの上手さとオタク心をくすぐるギャグ・パロディのセンスでここまでのエンターテインメントに仕上がっているこの作品。
僕の最も好きな漫画の一つです。

【まいてつ(Lose)】エロゲー新時代の到来とロリ

第2回はエロゲ「まいてつ」について。

前回は洋画の名作をロリコン目線で見ていたということで若干の後ろ暗さもありましたが、今回はエロゲなので気兼ねなくロリについて語れますね。

「まいてつ」は今年2016年3月に発売されたばかりのエロゲです。
発売元は前作「ものべの」で全国のロリコンたちの精液をかっさらっていったLose。
熊本は人吉市をモデルにした街「御一夜(おひとよ)」を舞台とした「癒しの鉄道復興物語」です。

「田舎」「鉄道」「大和撫子」「方言」「ロリ」これらの単語のいずれかに興味のアンテナが向く人であればプレイして損はありません。
各キーワードに沿って本作を紹介していきます。


田舎

上述のとおり、人吉市をモデルにした街「御一夜」が舞台となっています。
人吉市は漫画「夏目友人帳」の舞台にもなっていますね。
残念ながら僕は人吉市に行ったことも夏目友人帳を読んだこともないので人吉市のことはほとんど知らないのですが、本作の内容、そして美麗な背景もあり、素直に「人吉に行ってみたい」と思わせてくれました。
これは僕が常々思っていることなんですが、スポーツ漫画であれば「このスポーツやってみたい!」、ある地域を舞台にしたアニメであれば「この街行ってみたい!」と思わせることができれば、それが「名作」と呼ばれる一つの基準になるのではないでしょうか。

死ぬまでには生きたいなぁ、人吉。

鉄道

兎にも角にも本作のメインテーマがこの「鉄道」。特に蒸気機関車
作中、かなりの数の専門用語が飛び交いますが、鉄ちゃんではない僕にも分かりやすく、興味が持てるように、そして何より浪漫を感じられるようにお話が進んでいきます。

何も知らない人間にその魅力を伝えるというのはとても難しいことだと思います。
タモリ倶楽部」のように『置いてけぼりを食らうことの楽しさ』というのもあるとは思いますが(この件は別途で回を設けて語ります)、本作はそれとはまた違います。
本当に丁寧に丁寧に鉄道について語ってくれます。

ロリを思いっきり堪能して、鉄道にもちょっとだけ詳しくなれる、そんな作品です。

大和撫子

メインヒロインの一人「ハチロク」、この子がまさに大和撫子
マスターである主人公のことを第一に考え、自身のことは、控えて、控えて、しかし決して誇り高くあることを忘れず、常に高貴な立ち振る舞いを崩さない。
いわゆる「主人を立てる古い女性像」ということになるのかもしれませんが、僕はそういったものが大好物なのです。
なによりハチロクも主人公も頭が良い子たちなので、二人の会話が非常に心地よい。
「等身大主人公」が流行する昨今では貴重な二人だと思います。

方言

熊本がモデルなので登場キャラの多くは熊本弁です。
やっぱ九州弁のヒロインっていいですねぇ。
九州(福岡)出身の自分も違和感なく聞ける九州弁です。
方言でのHシーンはなかなかクるものがあります。

ロリ

本作を語る上で決して避けられないのが「ロリ」。
キャラによってはペドに近いものもありますが、どのキャラも非常に魅力的です。
主人公は普段あんなに真面目な青年なのに、こんな小さな子も手籠めにしてしまうのか…いかんぞ…いかんぞ…と思いながらもう最高に実用的ですよ、この作品。
E-mote」というシステムを使用しており、立ち絵もHシーンもぬるぬる動きます。しかも凄く自然に。
僕はあまり抜きゲーをやらないんで詳しくは分からないんですけども、少なくとも僕が今までプレイしてきたエロゲの中では一番の実用度です。

ああ、ロリにこんなことしていいんだ(よくはない)。



以上が各キーワードに沿ったご紹介になります。

とにかく言いたいのは

ロリコンならプレイしろ」

の一言。
第1回のの「レオン」の記事に引き続き酷いロリコン目線ですね。
もうこのブログのテーマを「いろんな作品をロリコン目線で批評するブログ」にしようかな…。

いや、早まってはいけない。

最後に、主題歌のレイル・ロマネスクはピアノが心地よい名曲なのでぜひ御一聴あれ。

youtu.be

【映画「レオン」】マチルダのただならぬ性的魅力

第1回目の投稿は映画「レオン」について。

1994年のアメリカ・フランス合作映画。

殺し屋である主人公レオン(ジャン・レノ)とアパートの隣の部屋に住む12歳の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)の共同生活、そして本作の敵役・麻薬取締局の刑事スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)との戦いを描くアクションものです。

僕がこの作品を見ての一番の感想は、

「ポルノだ…」

……我ながら酷いですね。

この作品をそういう目で見ていいものか、映画に詳しくない僕にはよくわかりませんが、少なくとも僕にはそういう見方しかできませんでした。
しかし、制作側も少なからずそれを狙っているのは間違いないと思います。

マチルダ初登場時のシーンでの脚を舐めるようなカメラワークは多くの男性(主にロリコン)の心を掴んだことでしょう。
そして同シーンでの腹チラをはじめ、マチルダの衣装は常に際どく、性的です。
ナタリー・ポートマンの非常に華奢な体つきが情欲を加速させます。
マチルダは役としては「実年齢よりも妖艶で大人びた少女」というキャラクターですが、隠しきれない少女性が僕の股間をグイグイ刺激してきました。
公開当時、愛の告白やマチルダの殺しの訓練のシーンはやむなくカットされたそうですが、倫理的に問題があるのはそこではない気がします。

90年代アメリカ(とフランス)はこういった幼い少女の性表現に意外と寛容だったのか、僕がこれらを性的に感じてしまうのがおかしいのか…。

後者ですか。

世間的には名作と名高いようですが、どちらかというと「ロリータ」(ナボコフ著)のような『問題作であり名作』に類する気がします。

 

ロリコンに優しい一本になっております。


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さて、映画の内容にはほぼ触れず、マチルダがいかに少女として魅力的であるかしか書きませんでしたが、当ブログではこのようになるべくひねくれた目線でいろんな作品について書き連ねていきたいと思います。

何卒、よろしくお願いいたします。