【ローリング☆ガールズ第8話】やはり団長のお二人さんは愛し合っていた!!
もし僕が「話数単位で選ぶ~」で一つ選ぶとしたらこのローリング☆ガールズ第8話が間違いなくトップです。
実際、2015年のランキングでは3位にランクインしたそうです。
それほどにこの話数が与えた衝撃は計り知れないものでした。
放送当時、思わず立ち上がって拳を握ったことは今でも鮮明に覚えています。
ローリング☆ガールズで白眉と称されることも多い第8話ですが、とりあえずいつも通りシーン順で追っていきましょう。
今回はアバン(OP前のパート)がかなり短めです。
本作は全体を通してアバンが長めだったので、この時点でどこか今までと違う雰囲気を漂わせています。
そういえば今の深夜アニメってアバンがあるのが多数派ですけど、一昔前や夕方のアニメなどはアバンがない方が多いような気がします。
演出的な意味合いで視聴ターゲットによってこれを変えているのでしょうか。
アニメのアバン文化について詳しい方がいらっしゃったら教えてください。
話は本編に戻ります。
フェスのポスターがまだ下書きまでしかできていないとのことで結季奈が清書を行うことに。
案の定ミサワ絵になって、結局シルエット処理にされてしまって結季奈は落ち込みます。
ここで千綾が結季奈を元気づけるためにみんなを舞妓体験に誘います。
特に目立つ心理描写もなく、ごく自然な形で千綾が動いたので気付きにくいかもしれませんが、今まで「何かを許すこと」や「石をあげること」など、受動的であったり既にある程度の流れ(展開)ができた上での優しさは見せたことはありました。
しかし、千綾が自発的に、それもみんなを引き連れてこのような行動をとったのはここが初めてではないでしょうか。
恐らく、今までの道中で、困っている人を見ると放っておけなかった望未を隣で見ていた故の行動でしょう(それが意識的かどうかはともかく)。
Bパートの文句なしに最高なシーンに隠れがちですが、1話~7話までの積み重ねによる千綾の成長が垣間見えた良いシーンだと思います。
千綾のデジカメで美沙の頭の中を覗いて子供時代の二人の回想を見るシーンがありますが、菊志乃(豆千代の母)が二人を探している場所は南禅寺境内にある琵琶湖疏水の水路閣ですね。
その名の通り琵琶湖から京都に水を引くための水路で、明治時代に建造されたものです。
有名な史跡ではありますが、どこかで見たことあるなーと思っていたらブラタモリの第1回で紹介されてたのを思い出しました。
ブラタモリは僕の好きな番組の一つです。
地質学的なことなど小難しいことも多いですが、非常にわかりやすく丁寧に解説されます。
そして何よりタモリが楽しそうに歩き回る姿を見るのが一番楽しいです。
ローリング☆ガールズとはあまり関係ないですが、オススメの番組です。
桜の季節に二人は出会い、イチョウが色づく頃もずっと一緒にギターを弾いていますね。
南禅寺という趣のある場所で季節の移り変わりを描く、短くも美しい回想シーンだと思います。
そんな二人の昔の様子を見た望未たちは、何とか仲直りさせられないかと考えます。
そこで美沙のピック(石)が盗まれる事件が発生し、フェスまで時間がないので望未たちが犯人を捜すことになりました。
豆千代が犯人であることは突き止めますが、既にピックと豆千代のバチは鴨川の底。
望未たちが慌てて拾いに行きます。
鴨川が浅くて助かったね。
その頃、籾山が三十四間堂に忍び込み、酒呑童子と会話をしていました。
酒呑童子の「あんたも宇宙旅行したいクチか?」というセリフがありますが、この酒呑童子という男はどこまで知っているのでしょう。
るろうに剣心でいうところの比古清十郎みたいなジョーカー的存在じゃないんでしょうか。
場面は鴨川に戻り、川底のピックとバチを探す望未たちのところに現れた菊志乃。
モーセかな?
ここで菊志乃が「あのとき美沙に『豆千代を惑わすな』と言ったのは私だ」と伝えることで、全ての謎が解けます。
美沙も、豆千代が舞妓の道から逃げたがっていたことに気付いていたが故のガン無視だったんじゃないでしょうか。
誤解は解け、豆千代はピックを届けるためにステージに向かうことになります。
しかし既に三十四間堂の仏像ミサイルは発射されていました。
さっきまでシリアスでいい話してたのに「清水の舞台から迎撃砲」っていう大変頭の悪い展開を持ってくるのが非常にローリング☆ガールズらしくて最高ですね。
ステージに辿り着いた豆千代が無事にピックを美沙に渡し、いよいよ「STONES」の演奏が始まります。
愛知三重編のラスト同様、語るのも野暮な気もしますが…。
こういうド派手な砲撃戦とバンドのライブの組み合わせの作品って今まであまりなかったのではないでしょうか。
マクロス7とかだとあったりしたのかな?見てないのでわかりませんが…。
ともかくこの砲撃戦はライブを盛り上げるのに最高の演出です。
酒呑童子の「盛り上げてやるよ」という言葉の通りだったわけです。
そしてこれは作画的な話になるのですが、各メンバーの演奏の動きが非常に忠実に再現されてるのが大変素晴らしかったです。
特に半ちゃんのこのカットなどは、クレッシェンド(音を段々と強くすること)まで完璧に表現されていました。
Angel Beats!やハルヒのライブアライブなど、ロトスコープ(実際の人間の動きをトレスする作画法)で徹底的にリアルさを追求した作品はありましたが、いかにもアニメっぽいエフェクト等を使いまくる本作には合わなかったでしょう。
(恐らく)このシーンのコンテから原画まで担当されている江原康之氏のロックへの愛を感じます。
そして豆千代の飛び入り三味線ソロ!
そりゃもう予想通りとしか言い様がないけどこれをやらなかったらもう京都編の意味ないでしょ!ってぐらいのシーンですね。
そもそもこの京都編はストーリー自体も超王道の展開なんですよね。
昔仲が良かった二人が突然の仲違い。しかし実はそれは相手のことを思ってのことだった。そして最後は仲直りしてハッピーエンド!
この最後の最高のステージを気持ちよく見せるためには奇をてらったストーリーは必要なかったと思います。
ある程度の予定調和の中で、それを全て納得させる絵・音楽・演出が完璧に揃ったライブシーンでした。
そして最後に美味しいところを持って行く酒呑童子のアニキ。
僕は敬意を持って「世界一格好良い自作自演」と呼ばせていただきます。
格好良いとしか言い様がないですよ…。
8話総評
序盤のちょっとした良さなんかを語ったりもしましたが、この話数は何をどう考えてもライブシーンが素晴らしかったという褒め方しかできません。
それほどに圧倒的なクオリティでした。
「これぞアニメーション!」というような、ケレン味たっぷりどころかケレン味しかなくてむせかえりそうな演出ですが、それがむしろ最高に心地良いです。
シーン単体としての演出面でこれを超えるような作品が現れるでしょうか。
そんなものが見られるならそれはそれで大変嬉しいことですけどね。
【ローリング☆ガールズ第7話】団長のお二人さん、愛し合ってるぅ?
ローリング☆ガールズ第7話感想・考察です。
今後は週に1本のペースで書いていきたいと思います。
名古屋から京都へ向かう途中、道に迷ったことで奈良県の十津川温泉に辿り着いてしまった望未たち一行。
どこをどう間違ったらここまで辿り着くんだ…。
ちなみにこの十津川村は日本一広い村らしく、東京23区を合わせた面積よりも広いとのことです。
なんだこの無駄な広さ。
ちなみにちなみに人口密度は全国1738の市区町村の中で1705位です。逆にすげえ。
ちなみにちなみにちなみにこのカットで画面右端に映っているのは十津川村の名所「谷瀬の吊り橋」です。
相変わらずご当地ネタの徹底が凄い本作です。
この吊り橋めちゃくちゃデカいです。
十津川村の紹介はこれぐらいにして本編の話を。
十津川温泉を後にした望未たちは今度こそ京都へ向かいます。
その道中で自然とモミハンのSTONESを歌い出す一行。
これですよ。この感じが「ロードムービー」ですよ!
映画「さすらい」で主人公たち二人がトラックでの旅の途中ハインツ・バートの「Just like Eddie」をノリノリで歌っているシーンを彷彿とさせます。
「さすらい」は素晴らしい映画なので是非とも見てみることをオススメします。
1976年の西ドイツの白黒映画なのですが、まったりと流れる時間や要所でかかる哀愁漂う音楽がたまりません。
ローリング☆ガールズを楽しむためには「イージーライダー」と「さすらい」を見ることだと思います。
…お気づきの方もいるかもしれませんが、この2本の映画を見たのは奥田民生の影響です。
でもどちらも素晴らしい映画だったんです、ホント。
いかん!ロリガの話が全然できてない!
でもこうやっていろんなところに派生していくのがロリガの醍醐味の一つだと思うんです。
日が暮れて奈良のお堂の前でキャンプをする一行。
このキャンプのシーンもバイク旅の感じが出ていていいんですよねー。
ラフな格好で折りたたみの椅子に座って歯磨きする姿に浪漫を感じずにいられますか!
千綾がテントをのぞき込みながら「うーたん、もう寝てる」と言うのも、キャンプの夜の風情が出ていていいシーンだと思います。
京都に辿り着いた望未たちは鴨川ロッカーズの団長一条美沙と出会います。
この「一条」という名字は、日本の伝説で酒呑童子を退治したと言われる「一条天皇」から取っているのではないかと思います。
望未たちは早速ロッカーズのライブを見ることに。
そこに現れる酒呑の一派。
所沢編以来のド派手なバトルシーンが心を熱くします。
酒呑童子の無敵キャラな感じがまたいいですね。実は劇中最強だったりしないですかね。
美沙がさらわれ、ハイエースに乗って酒呑の一派のアジトがある大江山へ向かう一行。
バンドマンと言えばやっぱりハイエースですよね!
豆千代率いる舞妓どすどすも加勢に駆けつけ、酒呑の一派と一戦交えます。
豆千代はん案外お強いんですなぁ。
ここで豆千代は酒呑童子に対して「話が違う」などと意味深な言葉をかけます。
何を企んでいるのやら。
舞台は再びロッカーズ事務所に戻り、そこへ現れたマー坊が一言。
「愛し合ってるぅ?」
これはもちろん伝説のロックスター忌野清志郎のお決まりのMC「愛し合ってるかい?」のオマージュです。ロックへの愛を感じます。
そしてロッカーズのメンバーから京都での「石」の価値観について聞く望未たち。
その中で「京都では昔から不吉な石と言われている」という話が出ます。
京都で「昔から」といったら少なくとも百年単位の話になると思われます。
となると、その頃からその石は存在していたことになります。
ここ数年で突如現れ始めたものではなかったんですね。
少し情報が得られたような、また謎が深まっただけのような…。
忌み石ポストを見張る望未たち4人。
郵便屋っぽい人が回収しようとするところから千綾が何とかして目をそらさせようとします。
何故こんな微妙な妨害を…?
千綾は結局石を集めたいのか集めたくないのかはっきりしませんね。
回収した人物を追いかけていくと、辿り着いたのは酒呑の一派のアジト。
そこでは何故か宴会の席で歌わされる美沙がいました。
それを見て感動の涙を流す望未たち。
泣くほどかとも思いましたが、このときの最後のギターの音がCでSTONESの最後の音もCなのでここで歌っていたのはSTONESで間違いないかと思います。
そして別れ際の酒呑童子の台詞「盛り上げてやるよ」がなんのひねりもなくそのままの意味だったということを知るのは8話の最後のお話。
次のシーンで豆千代が普通に酒呑童子にお酌していますが、これは美沙をさらう前の回想でしょうか。
というか元々の酒呑の一派と舞妓どすどすの関係性も気になります。
酒呑の一派は「やんちゃな集団」程度の認識なのか、「暴力団」に近いものなのか。
まあ後者だとこんな普通にお酌したりはしていないはずなので前者だとは思いますが。
最後に三十三間堂もとい三十四間堂の1001体の観音様が全部ミサイルになっているというとんでもない罰当たりなことを明らかにして第7話終了。
このシーンを見て物凄くワクワクしてしまうのは第8話の内容を知っているせいでしょうか。
確か初見のときは「うわっ!こいつ(酒呑童子)めっちゃ悪者やん!」と思った気がします。
さていよいよ次回は伝説の第8話。
今から見るのが楽しみです。
【ローリング☆ガールズ第6話】栄光に向かって走る あのケッタに乗っていこう
ローリング☆ガールズ第6話感想・考察です。
ダンディにバイクを修理してもらった学生時代の友亀。走るのがつらくなったとこぼします。
少し間をおいて発される「そんなときもある」というダンディの言葉。ダンディにも同じような時期があったのかと考えてしまいます。
それとも「そんなとき」が伝説のライダー望都屋大治郎の引退のときだったとか。真相は闇の中です。
友亀少年も望都屋大治郎に憧れていたようですね。
屋根の上での姫ちゃんと友亀の会話。
ここで石が降ってきます。石が現れる条件は命の危機ではなさそうですね…。
「何かしら大きな心の動きがあったとき」とか?それとも特定の条件はないのか…。最終話までに解けるのでしょうか。
ロリ姫ちゃん可愛い…。そりゃ友亀少年も惚れますわ。
できればこのままの君でいてほしい。
「大切なことを思い出させてくれた」との友亀の台詞。
このときの友亀は走ることの楽しさを一度取り戻しているようですね。
後の(現在に至る)周囲に競い合える相手が居ないという悩み・虚無感とは何かしら別の事案のようです。
少し場面はとんで冷蔵庫で冷え冷えの千綾がお風呂に入ってるシーン。
なんで浮かんでるのがアヒルじゃなくてニワトリなのかと思ったら「名古屋コーチン」なんですね。
小ネタは随時拾っていきます。
金シャチ総合病院にて、
友亀「競い合える相手が、誰も…」
ダンディ「それは、寂しいな」
ダンディのこの共感を覚えているような言葉は、かつて望都屋大治郎が同じような状況にあったことを示しているのではないでしょうか。
気になるのでOVAでダンディの過去編とかやってもらえないでしょうか…。
本作は魅力的なキャラが多く出るのですが、一編2話という構成上、各キャラの過去まではなかなか深く掘る余裕が無いのが少し寂しいところです。
そしていよいよレーススタート。
ここからは語るだけ野暮な感じになっていきますが、そう言ってしまうと終わってしまうので少しずつお話を。
友亀と姫ちゃんの悩みは根っこの部分が同じだったんですね。
大好きだったはずのものがいつの間にか何かしらの理由でつらく嫌なモノになってしまっていた。
しかし、愛知と三重の対立というある意味危機的な状況のために、その好きなこと(レースとシャチホコ)に向き合ったとき、それぞれの「好きだ」という気持ちに気付くんですね。
さぁここからはいよいよ説明不要(説明不可能)。
軽トラでどうやってバイクに追いついたのかとか、
チャリでどうやって追いついたのかとか、
何故ライダーのここぞという場面でわざわざチャリにするのかとか、
なんで大砲でぶっ放したヤツが上手くシャチホコに取り付けられたのかとか、
細けえこたぁいいんだよ!!(by執行さん)
その方が熱いから!楽しいから!!盛り上がるから!!!
レース終盤はとにかくそのノリでしたね。
それが最高に熱かったです。
この6話終盤はローリング☆ガールズのいいところを凝縮させたようなものになっていると思います。
何もかも忘れてひたすらお祭りを楽しむような。
今までで最高の話数でした。
そして次はもっと最高な京都編が待ってるんだよなぁ…。
【アニメ「ローリング☆ガールズ」第5話】何故そこまでダンディでいられるのか
さて、第5話は愛知三重編です。
東京編は多少辛辣なことも書きましたが、愛知三重編は面白かった記憶があるので、いいことが書けると思います。
冒頭のレースシーンではカントリー調のBGMがかかっていますが、これは昔大ヒットした「走れコウタロー」を意識してるのではないかと推察します(「走れコウタロー」のジャンルは正確にはブルーグラスですが)。
レースの実況も入ってますしね。
www.youtube.com今の人にもわかりやすく言うと「みどりのマキバオー」のOPの原曲です。
といってもマキバオーももう20年前ですか。
(※8/25 00:25 追記 知人から指摘が入りまして、このBGMはブルーハーツの「ながれもの」のアレンジであるとのことでした。いや、そうであったとしても「走れコウタロー」を全く意識していないことはないはず。レースの実況があるこのシーンでこのカントリー調のBGMはさすがに偶然じゃないはず。そうじゃないと鬼の首を取ったようにこんなこと言ってる自分が恥ずかしすぎる…)
あ、腕のコアラもちゃんとヘルメットしてる。
道交法は守らないとですね。
ところでなんで姫子は腕にコアラ付けてるのかなと思ったんですが、その昔、名古屋の東山動物園が日本初のコアラの展示を行ったそうです。
こういうちょっとしたご当地ネタを知ることができるのもローリング☆ガールズの良いところではないでしょうか。
愛知に向かう望未たちですが、ガス欠でバイクを押していくことに。
こういうときにイチイチ悪態をつく逢衣ですが、このあたりは全て広島編での喧嘩への布石でしょうか。
ここも若干、物語のために嫌なキャラにされてる感がなくもないですが…。
魚虎家に着いた姫子。
親父と話しているとワラワラと集まってくるご近所さん。
このあたりの描写は、この作品一つのキモとなっている「ご当地感」というものではないでしょうか。
東京編では「ご当地」や「お祭り」よりもストーリー性やキャラクターの葛藤に重点が置かれていたので、作品の雰囲気としては所沢編に近くなった感じがします。
ところで、ご近所さんと仲が良い女の子が妙に可愛く見えるのって何故なんでしょうか。
男にとって「理想の女の子像」の一つだと思います。
そして今回は早めの話の展開。
愛知中のシャチホコが次々に爆破され、しまいには望未たちのところに空からシャチホコが降ってきます。
やることが毎度無駄に派手なのがローリング☆ガールズらしくていいですね。
そして出たぁッ!ダンディッ!!
コーヒー注いでるだけでダンディだなんて…。
逢衣と姫子がメシの取り合いで揉めてる中、一瞬動く姫子のコアラ。
それを訝しげに見る千綾。
このやりとりって6話への何かしらの伏線になってたりしましたっけ?保留。
そして回想の望未と姫子の出会いのシーン。
あーもうランドセルなんていうエログッズを望未に背負わせるなんて全くけしからんですね。
ところでこの場面では石がハート形ではなく普通の石のような形をしているんですが、3話の回想では落ちてきた時点でハート形だったような…。
ただの演出ミスでしょうか。
いや、でもその後に削られてハート形になっていく描写もあるのでこのカットだけのミスとも考えにくいですよね。謎。
三重モーターズの阿漕が店内に突っ込んできてダンディとつばぜり合い。
そこへまたしても首を突っ込んでいく望未。
ここは「三重愛知の平和のために協力してくれないか」という依頼に応えるための行動というのはわかりますが、それもその前に少しだけ映った依頼状に書いてあったのが見えたというだけ…。
作品全体として望未の行動理由がボンヤリしてしまっているのはこのあたりが原因ではないでしょうか。
ダンディで紳士的な態度を崩さないダンディに対してのモブの一言。
何故そこまでダンディでいられるんです!?
これは本作イチの名言だと思います。どうやったらこんな台詞が思いつくんだ…。
そして場面は魚虎家でのやりとり。
親父が腕をやられたというので姫ちゃんが代わりにシャチホコ作りなよとご近所さん。
修行に行ってたわけじゃなくてシャチホコが嫌になって遊んでただけだから!と姫ちゃん。
嘘というか虚勢を張っているというかそんな感じなのは明かですが、その理由までは5話では明かされず。6話での解決を待ちましょう。
喫茶マッハウンテンでのダンディと逢衣の会話。
バイクを片手で止めたダンディはどうやら石を持っていないご様子。
ダンディの話し方を見る限り嘘をついているようには見えないですし…。
東京編でサンダーロードが石を持っているときだけ特殊能力を使えていたのも嘘には見えませんでした。
気の持ちようだったってことでしょうか。
またしても石の謎は深まるばかり…。
そして姫ちゃんと友亀が邂逅したところで第5話は終了。
本編全体としても愛知三重編としてもほどよく謎を残し、いい具合に次回が気になるまま終われた前編だったと思います。
諸々の解決は後編の第6話で。
【アニメ「ローリング☆ガールズ」第4話】疑問が残る各キャラの行動理由
第4話、東京編後半です。
冒頭で、結季奈が以前にも鈴本家に世話になっていたことが明かされます。
のり子は以前と髪型や服装が違っていて気がつかなかったと言いますが、最後に「アンタ、なんか暗くなったよね…?」との非常に気になる一言が入ります。
これって本編終盤とかで原因明かされてたでしょうか…。
覚えてないのでとりあえず保留。
前回「東京オールウェイズ」と「オールウェイズ・コミマ」の関係性についていろいろ推測していましたが、この場面でしっかり説明してくれていましたね。
やはり東京オールウェイズ団長の芥火龍之介がオールウェイズ・コミマの創始者とのこと。
これってもしかして芥川龍之介が同人誌(新思潮)を刊行していたことにもかけてるんでしょうか。
そして望未たちは双塔の騎士団から逃げるか無罪を証明するかで一悶着。
このときの望未は言ってることは正しいんですが、そこまで意地を張る理由というのが今イチ判然としません。
望未が逢衣と言い合いになり、最後に「(真茶未は)強くなくても諦めないよ!」と言い切るのですが、見る側としては前話までで真茶未の人となりをそんなに把握できていないので、この言葉も心に響きません。
とにかくこの東京編は、終始望未の言動の理由が分かりづらいのがモヤモヤしました。
そしてアキがリックの人形の前で籾山と会話し、自分の中で悔い改めて石を返してもらいます。
分かってたけどちゃんと改心してよかった、もしそのままだったら本物のクズだよと思っていたら、
一度なくしてるクセに不用心すぎだろ!!!!
ただこれはアキが悪いと単純に切って捨てるべきではなく、物語の都合でアキを無能にしすぎだと思うんです。
人徳などではなく、ただ単にモサで強いからという理由だけで団長になってしまった印象すら受けてしまいます。
そういう「問題児団長」を描きたかったのかなとも一瞬思ったんですが、終盤明かされるようにのり子には非常に敬愛されていますし…。
この点に関しては東京編はかなり難ありだと思っています。
そして次の鈴本家での枕投げの場面ですが、
逢衣さん!それは!寝間着ですか!?
本作は全編通してパンチラNGのようなので、やはり下着ではないと思います。
まあ普段から水着みたいな格好でウロウロしているのであまり変わらないといえば変わらないのですが…。
それにしても逢衣さん、鼠径部のライン見えてますよ?
それはさておき、アキが石を手に入れたときの回想シーン。
最初見たときは「何でいきなり飛び降りたのかなー」と思っていたんですけど、単に風に煽られて落ちてたんですね。
(これ以上無能にしないで…)
石が誰かの元に現れる要因は「命の危機」なんでしょうか。
望未のときも溺れて死にかけてましたし。
そういえば執行さんが石を手に入れた理由って明かされてなかったような。
石に関しては物語の根幹なので終盤で解明されることでしょう。これも保留。
物語は終盤、爆弾騒ぎが発覚して、石も見つかりいよいよサンダーロードの出番です。
アクションシーンになると相変わらずケレン味ブリブリで見ていて楽しくなりますね。東京編でもこの点が健在だったのは安心しました。
そして最後の大爆発。
景気よくドカンと打ち上がっています。お祭り感。
のり子がダイナマイト・ボンバーズの種明かしをしていく回想シーンで、犯行声明の原稿用紙が映ります。
変わったデザインだったので調べてみたのですが、夏目漱石が特注で使用していた原稿用紙がモデルのようです。
芥川龍之介は夏目漱石の門下で関係は深いですし、「漱石山房の冬」という夏目漱石を題材にした短編まで出してるぐらいなので、ここではこの原稿用紙が使われたのでしょう。
のり子が、アキに団長をやめてほしくなかったためにダイナマイト・ボンバーズをでっち上げたことを打ち明けますが、ここも今一つ理由が弱い気がします。
のり子がアキを慕っている描写ってほとんど無かったような…。
一応鈴本家にはのり子とアキが二人で写っている写真が置いてありましたが、アレから連想しろというのは少し酷なのでは。
別にミステリーものじゃないからいいのかな。
そしてアキが団長を辞め、のり子に引き継ぎます。
だから何度も言うように「理由が弱い」!
その様子を見た千綾がのり子に石を譲ります。
だから(略)
東京を離れ、千綾と大統領の電話の場面。
大統領の机にもガスマスクが。これは大統領のもの?千綾の予備のマスクが置いてある?これも謎なので保留ー。
千綾自身はコミマ会場でガスマスク落としちゃってましたけど。
そして名曲「脳天気」。
髪を風になびかせながら「なんともないよ」というこのカットはこの話数で一番心に染みるカットでした。
EDに乗せて山梨・静岡編のダイジェスト。
これってよく見るとモサ同士の戦いで樹海まで吹っ飛ばされて、そのまま解決できずに終わってません?省略されてるだけで解決編もあったのかな…。
ところで森の中で望未たち4人が眠るこのシーンについて。
また「イージーライダー」ネタです。
これは見た人にしか伝わりにくいかもしれませんが、このカット、主人公たちが袋だたきにあうシーンを彷彿とさせません?
そして最後にいきなり雷に打たれるのも、イージーライダーのラストのアレっぽいとも言える気が。
意識しすぎですかね。
東京編総括
正直に言いますと、ローリング☆ガールズ全編を通して一番面白くなかったのがこの東京編でした。
何度も言ったように、キャラの行動の理由が毎度はっきりしないので、脳内がクエスチョンマークでいっぱいでした。
所沢編のように終始ド派手なアクション満載で「何となく楽しそう」であれば細かい理由も気にならないのですが、アキやのり子の葛藤が主題となっていた今回は、行動理由はもっと大事にすべきだったと思います。
いくつか保留にしている謎は、(投げっぱなしにならない限りは)後話数で出てきたところで拾っていくようにします。
さて、次回は愛知・三重編。
かなり好きなエピソードだったので、もう一度見るのが今から楽しみです。
【アニメ「ローリング☆ガールズ」第3話】ゲロイン再び。サンダーロードの名誉挽回は可能なのか?
第3話の感想・考察です。
所沢編が終わり今回からは東京編。
1話冒頭でもそうでしたが、ちゃんと説明があるわりには導入がわかりにくいです、この作品。
ロリペディアを読んだらいろいろ細かいことも書いてあるので東京オールウェイズの解説とかはそちらで。
ところで「ロリペディア」って『ロリ』と『ペドフィリア』を組み合わせた言葉っぽく見えてしまうんですけど、合ってますよね?
回想で出てきた文豪っぽい人が東京オールウェイズの団長・芥火竜之介とのこと。
なんで眼鏡かけてるのかなーと思ったんですが、「ALWAYS 三丁目の夕日」の登場人物 茶川(ちゃがわ)竜之介が元ネタみたいです(右の画像真ん中上の眼鏡の男性)。
茶川(ちゃがわ)竜之介の元ネタはもちろん芥川龍之介。
パロディのパロディになっててややこしい!
そんな小ネタはともかく、今回の自警団「双塔の騎士団」について。
東京タワーロボと東京スカイツリーロボのツインタワーロボの足下に本拠を構えていることからこの名前になっています。
そして団長の「サンダーロード」。
この名前は恐らくTHE HIGH-LOWSの「サンダーロード」から取ってると思います。
また小ネタになってしまいましたね。言いたくなっちゃうんです。
話を本編に戻します。
コミマ会場の美術は今までと全く違う水彩調で描かれています。
所沢編では特にそんなことはなかったので面食らいました。
今まで所沢から出たことがなかった望未が初めて訪れた東京の、しかもコミマという特殊な環境を美術の違いで印象づけるためのものでしょうか。
キャラはごく普通のセルなので浮いてる気がしなくもないですが、それもそういう味でしょう。
4人で東京に向かう望未たちですが、方向音痴な結季奈や、せわしない逢衣、ガスマスクを付けたままの千綾を見て望未は「みんなちょっと変わってるかも…」と心の中で呟きます。
アニメや漫画でこれぐらいの個性は今どき珍しくもありませんが、こういうちょっとした点で望未の「普通」っぷりが強調されています。
話は少し飛んで、望未たちがダイナマイト・ボンバーズと間違えて捕まり、アキからいろいろと問い詰められるシーン。
ここで「勘違いだったか!ごめんね!」で済んでしまうと話が終わってしまうので疑いが晴れないままにしないといけないのは分かるのですが、アキがあまりにも無能団長に見えてしまうのが残念。
尋問役をアキ以外のキャラにするとか、思い切ってこの尋問シーンを飛ばすとか方法はありそうなものなのに、ここまでアキの印象悪くしなくても……と思ってしまいます。
そして石を探す望未たちですが、無いものをいくらさがしても見つかるはずもなく、見つかったと思っても見間違いで、それをルンバが無情に回収していきます。
ここで突然のゲロ!(2話連続2回目)
放送当時も様々な憶測が飛び交いましたが、その理由は明らかにされていません。
日没(=極刑)までのタイムリミットが近づいているから……には見えません。これまで望未はその点はあまり気にしている様子はありませんでした。
マッチャグリーンの代理人としての勤めを果たさなければいけないというプレッシャーからのストレス、が一番妥当でしょうか。
2話で真茶未にゲロさせた制作側がそっちに目覚めてしまっただけかもしれませんが。
ところで後ろの3人も吐きそうな素振りを見せていましたが、ちゃんとこの後吐いたんですか!?(机ドンッ)
場面が所沢大統領府に移り、大統領も石を集めていること、大統領の娘が千綾であることが明らかになります。
大統領が「あの子にもそろそろ話しておかないと……」と言っているので、千綾には詳しい理由を教えずに石を集めさせている、といったところでしょうか(全話見たけど内容覚えてないんです…)。
大統領は石集めになり振り構っていられない様子。
石について情報が増えるというよりも謎ばかりが深まっていっている感じです。
ラストシーンでは、アキが(一瞬ためらいはするものの)自分の石と千綾からぶんどった石を両方売り渡すという暴挙に出たところで終了。
ゲストヒロインをこんなキャラに仕立て上げていいんでしょうか。
どうしてもこのラストシーンが必要だったのであれば、先ほどの無能シーンをなくすなどしないと、この第3話でアキに何一ついい印象がありません。クズキャラまっしぐらですよ。
所沢編の執行さんがいい悪役でありキャラとしても可愛かっただけに、落差が激しすぎます。
仮に第4話で挽回するにしても、この第3話が終わった時点で次の話を見たいと思わせられないとどうにもなりません。
絵的にもストーリー的にも所沢編と比べてだいぶ地味になっている東京編なだけに、せめてキャラクターぐらい魅力的に描いてほしかったです。
次回は第4話。東京編後半どんな内容だったっけ…。
【アニメ「ローリング☆ガールズ」第2話】執行さんと音無の過去について考える
ローリング☆ガールズ第2話「世界のまん中」の感想・考察です。
この第2話からOPが付くようになりました。「人にやさしく」ですね。
演奏する4人は可愛らしくて大変よろしいと思うのですが、音と演奏の動きがかなりかけ離れているのが少し残念です。
完璧に合わせるのは難しいだろうというのは分かってるのですが、8話のライブシーンであれだけ合わせられていたのですから、OPでもできないこともないはずでは…。贅沢言いすぎですかね。
ともあれ「頑張れ!」のカットは元気がもらえます。
うん、ぼくがんばる!!
さて本編。
ゆうえんちに辿り着いた真茶未の前に執行さんと音無が現れるシーンですが、
何故そんなところに…。
ナントカと煙は高いところに行きたがると言いますが、この二人が煙でない限りやっぱりナントカなわけで。
でもこういうコンビって好きなんですよね。
目下の心配事は、音無がいつ「~でヤンス!」って言い始めるかということぐらいでしょうか。
今まで様々な理由を付けて勝負を避けてきた真茶未に対して直接対決を申し込む執行さん。
BD特典とかに、この絵柄で「勝負を避ける真茶未とそれに怒る執行さん・音無コンビ」の1分ぐらいのショートアニメ10本ぐらい欲しくありません?僕は欲しい。
中盤からの執行さんVSマッチャグリーンのバトルですが、これがなかなかえげつない。
格闘技アニメでもないのにここまでゴリゴリの格闘してるのも珍しい気がします。
この腰の入った執行さんのボディブロー(メリケンサック付)ですよ。
メリケンサックて!昔の不良か!
そしてさらに、
首相撲からの顔面膝蹴りて!キックボクサーか!
その後、吐瀉物→後ろ回し蹴りのコンビネーション(←この字面凄い)で形勢逆転した真茶未ですが、マッチャグリーンであることを隠していた理由として「幼少期にふざけて溺れたフリをした自分を助けようとして望未が死にかけ、自分がマッチャグリーンだと知ったらまた無理をしてでも助けにくると考えた」と語っています。
ここの「溺れたフリ」っていうのは何かしら意味があるのかなとちょっと考えました。
普通に「溺れそうなところを助けようとして逆に溺れた」でもよかったような…。
真茶未ほどの身体能力(当時からあるかわかりませんが)で溺れるのはおかしいという理由でしょうか。
本編終盤の再登場のところで理由の説明とかありましたっけ?(全話見たけど細かいとこまで覚えてなくて…)
それとも深読みしすぎる必要のない箇所なんでしょうか。
でも物語的には結構大事な話ですからねぇ…。
特に真茶未は望未のようにコンプレックスを持っている描写も無いので「フリ」の理由が分からずに少しだけモヤモヤしました。
んでその話を聞いた逢衣が望未に殴りかかってきて間違えてクロコダイルさんをぶん殴ってしまうシーンですが、
ちょっと気持ちよさそうにしてんじゃねえよ!(気持ちはわかる)
そういえばクロコダイルってアリゲイターとどう違うんだろうと思って調べたところ、「口を閉じた際に下顎の前から4番目の歯が外から見える(Wikipedia)」とのこと。
このクロコダイルさんもちゃんと歯が見えてる…。相変わらず細かい。
そして物語のクライマックス、執行さんの過去の話へ。
幼少期、自分がヒーローになってみんなを守ろうと決意し、空から降ってきた「石」を手に入れて戦っているうちにいつの間にか戦いや武器に魅入られていたとのこと。
これも結構大事な話な気がするんですけど、だいぶ説明がざっくりしてて細かい理由は憶測するしかない状態です。
まあ執行さん自身
「こまけぇこたぁいいんだよ!」と仰っていたのでいいんですかねぇ。
OVAで「執行さんの生い立ち編」が出るのを待つのみです。
それとこのときにいろいろ知っていそうな話し方をしていた音無も気になります。
そもそも音無はいつから執行さんと一緒に居るのかも劇中では明言されていません。
「思い出してはいけません!」「10年越しの自己矛盾だぞ!」という言い方から、執行さんがまだヒーローになりたかった10年前の時点で既に知り合っていると考えられます(執行さんはヒーローになりたかったことを忘れているので、音無と最近知り合って自らそのことを音無に語ったとは考えにくいです)。
音無の10年前となると恐らく小学生ぐらいでしょうから、執行さんは「かっこいいヒーローみたいなおねえちゃん」的な存在だったのではないでしょうか。
そして段々と戦いに魅入られていく執行さんをそばで見続け、それでも変わらぬ敬愛の念を抱き続ける…。
こんなこと書いてると二人の関係がどんどん美しく見えてきました。
「ナントカと煙は~」なんて言ってごめんなさい。
執行さんと真茶未のバトルはダブルノックアウトで終焉を迎え、ようやくロードムービーとしての本番「バイクの旅」へ。
全編通しての話で言うと、このバイク旅のシーンが思ったより少なかったのが残念でした。バイクが3Dでしかもそれにセルのキャラを乗せるので手間はかかるんでしょうが…。
1話まるまる4人でダベりながらひたすらバイクで走り続ける回とか見てみたかったです。「どうでしょう」みたいになりそうだな。
というわけで4人揃って東京に向かうところで2話は終了。
次回は3話、東京編。8/20に更新予定です。
その後も隔日で更新していこうと思っています。
P.S.
ロリ執行さんの変な服かわいい。